愛国心は学校教育では…ない patriotism is...not scholl education
愛国心は学校教育では生まれない
愛国心は学校教育では育たない
愛国心は学校教育では作れない
昨日、パキスタン&ジャパン・フレンドリーシップ・フェスティバルの最終日でした。
独立記念日でとても盛り上がりました。一緒に「パーキスタン」「インシャラー」コールをしました。私もパキスタン人でもないのに…。日本でこんなコールをしたら、右の人と思われちゃうし、実際私、やや左っぽい思想なので(ということは現在の日本だから中道だと思っています)
現任校の生徒と彼の友達がイベント終了後に国旗を胸にひとりずつ記念撮影していました。故郷を離れて暮らしているからだけではなく、現地でも同じノリなんだろうと感じました。
みんな本当に愛国心があるのねぇ。ステキでした。
パキスタンの人たちの愛国心って学校で習ったものではないだろうなと感じてきました。
日本に来るくらいだから学歴があるってことではないし。
宗教が強く影響しているだろうというのは、わかります。
ウチのお茶目すぎる…やんちゃまでいかない生徒たちでも挨拶は礼儀正しいし、お祈りとかきちんとしています。もしも、学校で愛国心を作るとすれば宗教や社会科の授業でしょうが、州によってはそんなに難しい勉強をしているとは思いません。また就学率が低い国なので学校に行っていない人もたくさん存在しています。
日本で愛国教育…それがかえって愛国心につながらないのではないかと…。
愛国心って誰かに押し付けられるものではなく、コミュニティーの優しさと信頼ではないかしらと。
イスラム教やキリスト教の信者たちは定期的に信仰のためにモスクや教会に行き、いろんな年齢の人や立場の人と同じ時間を過ごします。かつての日本もお寺などで村の会議をしていたのですが、今、隣の家に誰がいるかも知らない生活になっています。なんでもかんでも「学校で教える」この国は、先生が授業に専念できない…10年ぶりに副担任になった友人が「学級担任じゃないとこんなに授業の準備ができて、生徒の提出物も丁寧に見られるなんて!!」と。こちらは普通のレベルの学校。私が勤務しているふたつの学校では毎日新鮮なこと…こんなことやらかした…的な新鮮な出来事がありすぎます。本当に先生方、親切に丁寧に対応なさっています。日本の学校教育の良さを知るようになりました。この話しは後日機会があれば…。先生方は普通にしていても大変なのに、愛国教育などという地域や家庭や宗教で行うべきことを押し付けるのですから。そして、先生方それぞれいろいろな思想をお持ちですから、いやいややっていれば態度に出ます。効果がないのでは。国を愛するということは、形式でも思想でもなく、身近な大好きな人を守りたいという気持ちによって知らずに身に付いていくものではないのでしょうか。
イベントの話しに戻りますが、パキスタンの人たちは、政府支持も第一野党支持も第二野党支持もみんな一緒になって他の国のイベントでは見られないような楽しい連帯感が空間を埋めていったので日本人の私までその中に入りこんでしまったのではないかと思います。
愛国教育…東アジアのやりかたじゃ…単なる洗脳。
指導要領の改訂がとてもこわくて悲しいです。
学校に通っている児童・生徒は日本人だけではないのに。
外国籍の子たちへの配慮がないのです。たとえば註でいいから、「郷土が外国籍の児童については母国を愛し、日本の良さを理解」…というような文章がほしいです。
[小学校低学年]
(エ) 国との関わりを深められるようにするために「郷土の文化や生活に親しみ」
を「我が国や郷土の文化と生活に親しみ」に改めた。
[小学校中学年]
(エ) 郷土及び国との関わりに関する内容を統合して「我が国や郷土の伝統と文化
を大切にし,国や郷土を愛する心をもつ」に改めた。
[小学校高学年]
(カ) 日本人としての帰属意識及び社会的な広がりを再考して「郷土や我が国」「郷
土や国」を「我が国や郷土」「国や郷土」に改めた。
(キ) 多様な文化を尊重し,国際親善に努めることを重視して「外国の人々や文化
を大切にする心をもち,日本人としての自覚をもって世界の人々と親善に努め
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る」を「他国の人々や文化について理解し,日本人としての自覚をもって国際
親善に努める」に改めた。
カ 音楽科
音楽を愛好する心情や音楽に対する感性は,美しいものや崇高なものを尊重する心につな
がる。また,音楽による豊かな情操は,道徳性の基盤を養うものである。
なお,音楽の共通教材は,我が国の伝統や文化,自然や四季の美しさや,夢や希望をもっ
て生きることの大切さなどを含んでおり,道徳的な心情の育成に資するものである。
コ 外国語活動
外国語を通じて,言語や文化について体験的に理解を深めることは,日本人としての自覚
をもって,世界の人々と親善に努めることにつながるものである。
17 伝統と文化の尊重,国や郷土を愛する態度 〔第1学年及び第2学年〕 我が国や郷土の文化と生活に親しみ,愛着をもつこと。 〔第3学年及び第4学年〕 我が国や郷土の伝統と文化を大切にし,国や郷土を愛する心をもつこと。 〔第5学年及び第6学年〕 我が国や郷土の伝統と文化を大切にし,先人の努力を知り,国や郷土を愛する 心をもつこと。 (中学校) [郷土の伝統と文化の尊重,郷土を愛する態度] 郷土の伝統と文化を大切にし,社会に尽くした先人や高齢者に尊敬の念を深め,地域社会の一員としての 自覚をもって郷土を愛し,進んで郷土の発展に努めること。 [我が国の伝統と文化の尊重,国を愛する態度] 優れた伝統の継承と新しい文化の創造に貢献するとともに,日本人としての自覚をもって国を愛し,国家 及び社会の形成者として,その発展に努めること。 我が国や郷土の伝統と文化を尊重し,それらを育んできた我が国や郷土を愛する心 をもつことに関する内容項目である。 (1) 内容項目の概要 自分が生まれ育った郷土は,その後の人生を送る上で心のよりどころとなるなど 大きな役割を果たすものである。また,郷土は,生きる上での大きな精神的な支え となるものである。郷土での様々な体験など積極的で主体的な関わりを通して,郷 土を愛する心が育まれていくが,郷土から国へと親しみをもちながら視野を広げて, 国や郷土を愛する心をもち,国や郷土をよりよくしていこうとする態度を育成する ことが大切である。 我が国や郷土の伝統を継承することは,長い歴史を通じて培われ,受け継がれて きた風俗,習慣,芸術などを大切にし,それらを次代に引き継いでいくということ である。我が国や郷土の伝統と文化を大切にする心は,過去から現在に至るまでに 育まれた我が国や郷土の伝統と文化に関心をもち,それらと現在の自分との関わり を理解する中から芽生えてくるものである。それは,国や郷土を愛する心へとつな がり,さらに,我が国が果たすべき役割と責任を自覚することにもつながるもので ある。 なお,ここでいう「国や郷土を愛する」とは,教育基本法において教育の目標と して「伝統と文化をはぐくんできた我が国や郷土を愛する態度」(第2条第5号) を養うと定めているのと同様の趣旨であり,我が国や郷土を愛する「態度」と「心」 は,教育の過程を通じて,一体として養われるものである。また,内容項目に規定 している「我が国」や「国」とは,政府や内閣などの統治機構を意味するものでは なく,歴史的に形成されてきた国民,国土,伝統,文化などからなる歴史的・文化 - 59 - 的な共同体としての国を意味するものである。したがって,国を愛することは,偏 狭で排他的な自国賛美ではなく,また,次の内容項目の「国際理解,国際親善」に 関する指導と相まって,国際社会と向き合うことが求められている我が国の一員と しての自覚と責任をもって,国際親善に努めようとする態度につながっている点に 留意する必要がある。 (2) 指導の要点 ■ 第1学年及び第2学年 この段階においては,昔の遊びを体験したり,地域の行事などに参加して身の 回りにある昔から伝わるものに触れたりする機会が多くなる。このことを通して, 家庭や学校を取り巻く郷土に目が向けられるようになる。また,昔の遊びや季節 の行事などを通して我が国の伝統や文化にも触れ,親しみをもてるようになる。 指導に当たっては,児童が住む町の身近な自然や文化などに直接触れる機会を 増やしたり,そこに携わる人々との触れ合いを深めたりすることで国や郷土への 愛着を深め,親しみをもって生活できるようにすることが大切である。 ■ 第3学年及び第4学年 この段階においては,自分たちの郷土に対する理解が深まる。また,地域での 生活が活発になるのに伴い,地域の行事や活動に興味をもつようになる。また, 地域の生活や環境などの特色にも目が向けられ,郷土のすばらしさを実感できる ようになる。 指導に当たっては,地域の人々や生活,伝統,文化に親しみ,それを大切にす ることを通して,郷土を愛することについて考えさせ,地域に積極的に関わろう とする態度を育てることが必要である。さらに,自然や文化,スポーツなどへの 関心も高まり,郷土から視野を広げて,我が国の伝統と文化について理解を深め るようになる。そこで,様々な活動を通して我が国の伝統と文化に関心をもち, これらに親しむ気持ちを育てるように指導することが必要である。 ■ 第5学年及び第6学年 この段階においては,我が国の国土や産業,歴史などの学習を通して,我が国 の国土や産業の様子,我が国の発展に尽くした先人の業績や優れた文化遺産に目 が向けられるようになることから,受け継がれている我が国の伝統や文化を尊重 し,更に発展させていこうとする態度を育てることが大切である。 指導に当たっては,機会を捉えて我が国の伝統や文化などを話題にしたり,直 接的に触れたりする機会を増やすことを通してそのよさについて理解を深めるこ とが求められる。このことを通して,伝統や文化を育んできた我が国や郷土を受 け継ぎ発展させていくべき責務があることを自覚し,努めていこうとする心構え を育てる必要がある。
18 国際理解,国際親善 〔第1学年及び第2学年〕 他国の人々や文化に親しむこと。 〔第3学年及び第4学年〕 他国の人々や文化に親しみ,関心をもつこと。 〔第5学年及び第6学年〕 他国の人々や文化について理解し,日本人としての自覚をもって国際親善に努 めること。 (中学校) [国際理解,国際貢献] 世界の中の日本人としての自覚をもち,他国を尊重し,国際的視野に立って,世界の平和と人類の発展に 寄与すること。 他国の人々や多様な文化を理解するとともに,日本人としての自覚や国際理解と親 善の心をもつことに関する内容項目である。 (1) 内容項目の概要 グローバル化が進展する今日,国際理解や国際親善は重要な課題になっている。 これらの課題に対応できるようにするためには,他国の人々や文化に対する理解と これらを尊重する態度を養うようにすることが求められる。それぞれの国には独自 の伝統と文化があり,自分たちの伝統と文化に対して誇りをもち,大切にしている。 そのことを,我が国の伝統と文化に対する尊敬の念と併せて理解できるようにす る必要がある。 その際,現在,私たちが抱えている問題,例えば環境や資源,食糧や健康,危機 管理など,どれも一地域や一国内にとどまる問題ではないことを踏まえ,広く世界 の諸情勢に目を向けつつ,日本人としての自覚をしっかりもつことも重要である。 なお,宗教について,宗教が社会で果たしている役割や宗教に関する寛容の態度 などに関しては,教育基本法第15条の規定を踏まえた配慮を行うとともに,宗教に ついて理解を深めることが,自ら人間としての生き方について考えを深めることに なるという意義を十分考慮して指導に当たることが必要である。 - 61 - (2) 指導の要点 ■ 第1学年及び第2学年 この段階においては,発達段階から,身の回りの事物が自国の文化なのか他国 の文化なのかを明確に区別することは難しい。また,他国の人々や他国の文化に 親しむ経験が多くはないという実態がある。特に他国の人々に対しての触れ合い については,消極的になってしまう児童もいる。 指導に当たっては,まず,身近な出来事や書籍,衣食住の中にある他国の文化 に気付いたり,スポーツや身近な行事などを通じた他国との交流に触れたりしな がら,他国の人々に親しみをもったり,自分たちと異なる文化のよさに気付いた りできるようにすることが大切である。そして,他国の人々と交流したり,文化 を味わったりしたことを互いに出し合ったり深めたりしながら,更に他国を知り, 親しもうとする気持ちが高まるように工夫することが大切である。
■ 第3学年及び第4学年
この段階においては,我が国が様々な国々と関わりをもっていることに気付く
ようになる。また,自分たちの身の回りには我が国以外の多様な文化があること
やそれらの文化の特徴などについて少しずつ理解や関心が高まってくる。
指導に当たっては,児童の様々な生活や学習において,更に関心をもって他国
の人々や他国の文化に気付き,郷土や自国の文化と他国の文化との共通点や相違
点などにも目を向けられるようにすることが大切である。その上で,それぞれの
よさを感じ取らせることが求められる。また,他国の人々もそれぞれの文化に愛
着をもって生活していることを理解させるなどして,更に他国の文化に関心や理
解を深めさせ,親しませることが大切である。また,自国の文化と他国の文化の
つながりや関係にも目を向けさせることが大切である。
■ 第5学年及び第6学年
この段階においては,特に社会的認識能力が発達し,日常生活において新聞な
どのマスメディアに接することや社会科,外国語活動等で学習することによって,
例えば,我が国と同様,他国にも国旗や国歌があり,相互に尊重すべきことなど
を知る中で,他国への関心や理解が一層高まる。また,様々な学習において,他
国の芸術や文化,他国の人々と接する機会も出てくる。
指導に当たっては,そのことを踏まえ,様々な文化やそれに関わる事柄を互い
に関連付けながら国際理解を深め,国際親善に努めようとする態度を育てること
が重要である。その際,他国の人々が,我が国と同じようにそれぞれの国の伝統
と文化に愛着や誇りをもって生きていることについて一層理解が進むようにする
ことが大切である。また,日本人としての自覚や誇り,我が国の伝統と文化を理
解し,尊重する態度を深めつつ,自分にできることを考えるなどして,進んで他
国の人々とつながり,交流活動を進めたりより親しくしたりしようとする国際親
善の態度を養うことが求められる。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2016/01/08/1356257_4.pdf
[中学]
(エ) 「郷土の伝統と文化の尊重,郷土を愛する態度」について,郷土への帰属意識
を再考して,従前の4-(8)に「郷土の伝統と文化を大切にし」及び「進んで」を
加えた。
(オ) 「我が国の伝統と文化の尊重,国を愛する態度」について,日本人としての帰
属意識を再考するとともに,新しい文化の創造と社会の発展に貢献しうる能力を
一層重視して,従前の4-(9)に「国家及び社会の形成者として」を加えた。
(カ) 「国際理解,国際貢献」について,多様な文化を尊重し,国際親善に努めるこ
とを重視して,従前の4-(10)に「他国を尊重し」及び「発展に寄与」を加えた。
オ 音楽科
音楽を愛好する心情や音楽に対する感性は,美しいものや崇高なものを尊重することに
つながるものである。また,音楽による豊かな情操は,道徳性の基盤を養うものである。
なお,音楽の共通教材は,我が国の自然や四季の美しさを感じ取れるもの,我が国の文
化や日本語のもつ美しさを味わえるものなどを含んでおり,道徳的心情の育成に資するも
のである。
ケ 外国語科
外国語を通じて,我が国及び外国の言語や文化に対する理解を深めることは,世界の中
の日本人としての自覚をもち,国際的視野に立って,世界の平和と人類の発展に貢献する
ことにつながるものである。
16 郷土の伝統と文化の尊重,郷土を愛する態度
■ 内容項目の概要
「郷土」とは,自分の生まれ育った土地ないし地理的環境のことである。また,郷
土とは文化的な面を含んでおり,自らがその土地で育てられてきたことに伴う精神的
なつながりがある場所を示している。「伝統」とは,長い歴史を通じて培い,伝えて
きた信仰・風習・制度・思想・学問・芸術などのことであるとともに,特にそれらの
中心をなす精神的な在り方のことである。「文化」とは,人間が自然に手を加えて形
成してきた物心両面の成果を指し,衣食住をはじめ技術・学問・芸術・道徳・宗教・
政治など生活形成の様式と内容を含んでいる。人々は一定の地域に住み,一定の歴史
と文化をもち,公共の場所を共有し,相互の連帯意識によって結ばれてきた。地域社
会には,そこに住む人々により長い間維持されてきた習慣などの独自の行動様式や文
化型式が実践されている。地域社会の行事に参加し,地域の人々と様々な関係をもち
共同することで,地域社会の成員としての公共性を身に付けることができる。
今日の我が国においては,都市化が進む一方で過疎化も進んでおり,そのために郷
土に対する愛着や郷土意識が希薄になっている傾向が見られる。しかし,生徒にとっ
て,地域社会は家庭や学校とともに大切な生活の場である。郷土によって育まれてき
た伝統と文化に触れ,体験することを通して,そのよさに気付き,郷土に対する誇り
や愛着をもつとともに,郷土に対して主体的に関わろうとする心や態度も育まれる。
また,社会に尽くした先人や高齢者などの先達のお陰で,今のこの暮らしを営むこと
ができているのだと認識することにより,尊敬の念や感謝の気持ちを深め,今後は,
自分たちの力で,地域に住む人々とともに,地域社会をよりよいものに発展させてい
こうとする自覚をもつことが必要になってくる。
17 我が国の伝統と文化の尊重,国を愛する態度
■ 内容項目の概要
地域社会や郷土を前提としつつ,主権という観点を踏まえた歴史的,文化的な共同
体として国家や国は存在する。そして前内容項目の地域社会に尽くした先人や高齢者
などの先達に尊敬と感謝の念を深める心を,国家という視点で考えれば,優れた伝統
の継承,新しい文化の創造,国を愛し,国家及び社会の形成者として,その発展に努
める心につながっていく。
この内容項目は,「第1章 総則」の道徳教育を進めるに当たっての留意事項に示
された「個性豊かな文化の創造」や「主体性のある日本人の育成」と密接な関係にあ
る。「伝統の継承」とは,我が国の長い歴史を通じて培われ,受け継がれてきた風俗,
慣習,芸術などを大切にし,それらを次代に引き継いでいくことを意味する。「新し
い文化の創造」とは,これまで培われた伝統や文化を踏まえ,更に発展させ,時には
他の文化も取り入れながら個性豊かな新しい文化を生み出すことを意味する。そのた
めには,古いものを改めていくことも大切であるが,先人の残した有形無形の文化遺
産の中に優れたものを見いだし,それを生み出した精神に学び,継承し発展させてい
くことが必要である。
また,国際社会と向き合うことが求められている我が国の一員としての自覚をもっ
て生きていくには,鋭い国際感覚をもち広い視野に立ちながらも,自己がよって立つ
基盤にしっかりと根を下ろしていることが必要である。「国を愛し」とは,歴史的・
文化的な共同体としての我が国を愛し,国家及び社会の形成者として,その発展を願
い,それに寄与しようとすることであり,そのような態度は心と一体として養われる
ものであるという趣旨である。我が国の伝統と文化に対する関心や理解を深め,それ
を尊重し,継承・発展させる態度を育成するとともに,それらを育んできた我が国へ
の親しみや愛着の情を深め,そこにしっかりと根を下ろし,他国と日本との関わりに
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ついて考え,日本人としての自覚をもって,新しい文化の創造と社会の発展に貢献し
うる能力や態度が養われる必要がある。国家の発展に努めることは,国民全体の幸福
と国としてのよりよい在り方を願ってその増進に向けて努力することにほかならな
い。
なお,内容項目に規定している「国」や「国家」とは,政府や内閣などの統治機構
を意味するものではなく,歴史的に形成されてきた国民,国土,伝統,文化などから
なる,歴史的・文化的な共同体としての国を意味しているものである。
■ 指導の要点
小学校の段階では,特に高学年において,我が国や郷土の伝統と文化を大切にし,
先人の努力を知り,国や郷土を愛する心をもつことについて学習してきている。
中学校の段階では,入学して間もない時期には,日本の国土や歴史に対する理解が
深まり,伝統と文化に対しても一層関心をもつようになる。学年が上がるにつれて,
我が国固有の優れた伝統と文化などの価値を継承し新たな文化を創造していこうとす
る態度,国を愛する心と国家の発展に寄与しようとする態度を育成することが大切と
なる。なお,ここでいう「国を愛する心」とは,教育基本法において,教育の目標と
して,「伝統と文化を尊重し,それらをはぐくんできた我が国や郷土を愛する」態度
(第2条第5号)を養うと定めているのと同様の趣旨であり,我が国や郷土を愛する
「態度」と「心」は,教育の過程を通じて,一体として養われるものである。
指導に当たっては,まず,我が国の発展に尽くし優れた伝統と文化を育んできた先
人たちの努力とその精神をたどり,そのよさを理解して継承するとともに,新たな文
化を創造してその発展に寄与していく責務があることを自覚し,国家及び社会の形成
者として,そのことに努めていこうとする意欲と態度を育てる必要がある。そのため
には,人間が既にそうした伝統や文化の中に身を置いて生きており,また身をもって
それらを理解する働きを通して先人たちと対話し,新たな伝統や文化を形成してきた
ことを踏まえる必要がある。
さらに,次の内容項目の「国際理解,国際貢献」との関わりをも踏まえて,国際社
会と向き合うことが求められている我が国の一員としての自覚に関する内容や,国際
社会との関わりについて考えを深めることも求められる。グローバル化や情報通信技
術などが進展すればするほど,日本人としての自覚をもつことが大切になってくる。
なお,その際,国を愛することは,偏狭で排他的な自国賛美ではなく,国際社会と
向き合うことが求められている我が国の一員としての自覚と責任をもって,国際貢献
に努めようとする態度につながっている点に留意する必要がある。そのためにも,国
を愛することと,次の内容項目の「国際理解,国際貢献」とは切り離せない関係にあ
ることに配慮した指導が大切である。
18 国際理解,国際貢献
■ 内容項目の概要
今日,グローバル化が進展する中で,様々な文化や価値観を背景とする人々と相互
に尊重し合いながら生きることや,科学技術の発展や社会・経済の変化の中で,人間
の幸福と社会の発展の調和的な実現を図ることが一層重要な課題となっている。私た
ちは,地球規模の相互依存関係の中で生きており,我が国が,国際的な関わりをもつ
ことなく孤立して存在することはできない。今日私たちが抱える問題,例えば環境や
資源,食料や健康,危機管理など,どれも一地域や一国内にとどまる問題ではない。
既に,日本人が自分たちだけの幸せを追い求めることに終始することは難しくなって
きているのである。したがって,将来の我が国を担う中学生には,日本のことだけを
考えるのでなく,国際的視野に立ち,すなわち,広く世界の諸情勢に目を向けつつ,
日本人としての自覚をしっかりもって国際理解に努めることが必要である。「他国を
尊重」するとは,他の地域や国々はそれぞれの文化や伝統,歴史をもっており,地域
や国々の在り方,あるいはそういう地域や国々がもっている理想等を,違いは違いと
して理解し,それを尊重していくことを意味している。そのことを踏まえつつ,平和
は,全ての国々の万人の心の内で模索すべき道徳的課題の一つであるということを理
解する必要がある。日常生活の中で社会連帯の自覚に基づき,あらゆる時と場所にお
いて協働の場を実現していく努力こそ,平和で民主的な国家及び社会を実現する根本
であり,国際的視野に立って世界の平和に貢献することにつながる。人間の存在や価
値について理解を深め,よりよい社会が形成されるよう人類の発展に貢献する意欲を
高めることが求められる。その際,持続可能な社会の形成という視点をもつとともに,
国際協力や国際協調の面から考えることも大切である。ここで,始めに世界の中の日
本人としての自覚と示しているのは,他国の人々や文化を尊重し,国際的視野に立っ
て,世界の平和と人類の発展に貢献し,世界の人々から信頼される人間の育成を目指
しているからである。
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■ 指導の要点
小学校の段階では,特に高学年において,他国の人々や文化について理解し,日本
人としての自覚をもって国際親善に努めることについて学習してきている。
中学校の段階では,入学して間もない時期に,他教科等の学習とも相まって,これ
まで以上に世界の様々な国々に対しての興味・関心が高まってくる。学年が上がるに
つれて,知識基盤社会の中では諸外国の政治・経済・文化をはじめとする様々な分野
について,多くの知識・情報・技術を瞬時に手に入れることもできるようになり,世
界の国々との様々な形で関わりを体験する機会も増えてくる。我が国の伝統や文化へ
の深い理解はもとより,世界の人々と関わり,異文化への理解を深める機会を得たい
という気持ちが大きくなる。
指導に当たっては,まず,他国には日本と同じように,その国の伝統に裏打ちされ
たよさがあることや,例えば,我が国と同様,他国にも国旗や国歌があり,相互に尊
重すべきことなどを学習する中で,その国独自の伝統と文化に各国民が誇りをもって
いることなどを理解させることが大切である。その際,伝統や文化は,人間としての
共通の願いから形成されてきていることの理解に立って,他国の人々や異文化に対す
る理解と尊敬の念が重視されなければならない。その上で,様々な文化のもつ多様性
の尊重や価値観の異なる他者との共生などについても考えを深める必要がある。今後
ますますグローバルな相互依存関係の中で生きていく中学生にとって,広く世界の諸
情勢に目を向け,国際社会で生きる能力を身に付けることはこれまで以上に必要とな
る。そうした社会の変化に能動的に対応できるとともに,国際社会において自らの役
割と責任を果たすことができる日本人となることが求められる。
さらに,世界の平和と人類の発展に貢献するという理想を抱き,その理想の実現に
努めることが大切である。その理想の実現のための基本になるのは,国によってもの
の感じ方や考え方,生活習慣などが違っても,どの国の人々も同じ人間として尊重し
合い,差別や偏見をもたずに公正,公平に接するということであり,このことは,日
本人だけに求められるものではない道徳的な価値である。
なお,宗教が社会で果たしている役割や宗教に関する寛容の態度などに関しては,
教育基本法第15条の規定を踏まえた配慮を行うとともに,宗教について理解を深める
ことが,自ら人間としての生き方について考えを深めることになるという意義を十分
考慮して指導に当たることが必要である。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2016/01/08/1356257_5.pdf
香港の「りんご新聞」培養孩子的美德和判斷,只能是父母的責任。
子どもの美徳と判断は唯一保護者の責任でしかありません。
香港だけでなく、いろいろな国の学校教育がおかしくなっていっていると同じ意見を持っています。
http://hk.apple.nextmedia.com/supplement/columnist/%E9%A6%AE%E7%9D%8E%E4%B9%BE/art/20170814/20120330
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