国際誤解という言葉が使われている文字情報

6月30日に講演をします。
「国際誤解」について。先行研究というか、過去のものをリンクメモします。

国際誤解と日本人 文庫 – 1983/6 田中 美知太郎 (著)


国際誤解と日本の対応―世界の中の日本の選択 (読売文化セミナー叢書) 単行本 – 1981/8


国際誤解の構造 東西文化比較研究 日本文化会議 1979年09月

国連大学奮戦記―国際誤解学のために 単行本 – 1985/10 箕輪 成男

辞書と国際誤解 | 一般財団法人地球産業文化研究所(GISPRI)

辞書というものが、異なる言語システム間の転換を可能にすることを通 じて、多様な文化の相互理解を促進していることはいうまでもない。だが、同時に、辞書というものが、しばしば文化摩擦や国際誤解の構造的要因の一つともなっていることについては、まだ十分な注意が払われていないように思われる。 辞書は、基本的に二つの異なる言語システムのなかから、ほぼ近似した意味を持つ単語や成句を取り出してこれを1対1の対照表にしたものである。しかし、言語の本質からして、異なる言語システムの単語や成句というものは、完全な等号で変換できるような単純なものではない。数学的な表現でいえば、言語の置き換えは精々の所近似値に過ぎない。つまり、辞書で日本語のある単語が英語のある単語と同じ意味だとされていたとしても、それは厳密にいえば、A=Bなのではなく、せいぜいA≒Bだと説明しているに過ぎないのである。 近似値であるということは、厳密には常に異なる意味と象徴性とを持つということであり、この差異を精確に認識することが、現段階の多様な文化の相互理解にとって決定的に重要になってきているということである。つまり、辞書で同義として説明されている二つの異なる言語体系のなかの単語の意味が違う部分、この部分の説明が非常に重要になってきているのである。 けれども、一般 に辞書はある言葉とある言葉が近似した意味を持つことの説明に没頭するあまり、この1対1で対応させられている言葉の意味が二つの言語文化の間で如何に本質的に異なっているかの説明をほとんど行っていない。これは現在の辞書の構造的欠陥ではないだろうか。 かつて、鈴木大拙氏は『東洋の心』のなかで、英語の“Freedom”や“Liberty”という言葉と、その日本語訳とされる「自由」という言葉の意味が如何に違うかを論じながら異文化間の相互理解の難しさに言及されたことがある。仏教の「自由自在」に由来する「自由」という言葉が、歴史的・文化的に欲望からの解脱、解放を意味しているのに対し、欲望が充足されないことを「不自由」と考え、欲望の充足に「自由」を見出すという文脈での“Freedom”の意味とは、正反対ですらあることに注意すべしと氏は説いたのである。この二つの言葉の歴史的、意味論的差異を理解しないままに、英語の“Freedom”と日本

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辞書と国際誤解 (財)地球産業文化研究所 地球産業文化委員会委員 学習院大学法学部教授 香山健一

12 国際誤解

『月刊美術』1997年8月号掲載国際誤解籔内佐斗司(彫刻家)  韓国の友人が奥さんを伴って日本にやって来たときのことです。 ヌナガワヒメ  韓国では、食事のとき女性が立て膝や横座りになることはごくふつうのことだそうです。そういえば日本でも中世の絵巻物を見るとお姫さまが立て膝ですわっている様子が描かれています。  そして日本では正式の席でも飯碗や汁碗を左手で持ち上げて食事をしますが、これは世界的に見て少数派の食事作法です。洋食のコース料理で食器を持ち上げて食べるひとはいませんし、日本以外のほとんどの国では汁ものには必ず匙がつきます。また韓国では、客をもてなすときは食べ切れないほどの料理を出し、客は豪勢なもてなしであったことを表わすために料理を残すのだそうです。「食卓の脚が曲がってしまうほどのたくさんのご馳走」が最高のもてなしなのです。  彼女は、ほんのわずかづつしか出て来ない懐石料理に当惑しつつ、食べたい気持ちを我慢しながらわざわざ少しづつ残してくれたのでした。  大学で助手をしていた頃、韓国からの留学生の言葉使いがおかしいので注意したところ、彼女はまったく理解できないといいました。たとえば彼女は「私のお兄さんがそのようにおっしゃいました」というふうにいうわけです。私は「自分の身内のことを目上のひとにいうときに敬語を使うのはおかしいよ」と教えました。しかし彼女は、尊敬しているひとはどんな状況でも尊敬するのが当然だと主張しました。よく聞いてみると、韓国語には絶対敬語という概念があり、自分とだれかとの位置関係は第三者との関係にかかわりなく絶対なのだそうです。  彼女にしてみれば、状況に応じて言葉使いを変える日本人はとても卑屈で不誠実に見えたそうです。 数千年の交流の歴史を持つ両国でもこのありさまです。国際理解のむつかしさを実感した次第です。  日本料理が出たついでに、知日家の英国の友人に教わったはなしをひとつ。  日本料理では料理ごとに食

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坪野和子☆世界の音楽☆世界のことば

2016年からネット発信スタイルを変えてみようと思います。天職である音楽と転職で勉強中の言語を中心にきままに生真面目に書き綴っていきます。

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