HOME > 日本語・日本語教師 > 日本語の教え方相談室 > 9 長音と促音をうまく教えるコツを教えてください。 中国語を母語とする学習者の場合「た」と「だ」の区別などの問題もありますが、長音と促音も大きな問題になります。こうした音を「うまく」教えるというよりは、まず日本語の「拍」の感覚を習得させることが大事です。これについてはこのコーナーの第2回「発音の直し方」を参照してください。そこで説明したように、一つ一つの母音や子音+母音の単位、つまり拍をほぼ同じ長さ・同じ強さで、
○○○○ ○○○
のように続けて言えるようにすることが基本です。中国語が母語の人に限らずたいていの外国人学習者は、2つの拍が続くと1音節のようにして2つ目を弱くする傾向があり、○。○。 ○。○ のように発音しがちで、これを直すには規則的な練習が大切です。
長音がぎこちないというのは、1拍と2拍の音を区別しないためです。「こうこう(高校)」を4つの単位でとらえず、「こ」は長いか短いかと考える傾向があります。「こうこう」は長い音2つでなく、短い音が4つと教えましょう。発音するとき、拍の数を数えさせることや、また、ミニマルペアで聞き取り練習をすることが効果的です。
促音については、発音の仕方についての正確な知識を与えることも重要です。例えば
がっこう
を4拍ととらえることがひとつ、もうひとつは「っ」に空白があるのでなく、次の音の構えをしながら、つまりスタンバイしながら1拍分の長さをおくことです。音がないのだからといって、ただ「が」のあと休んで「が こう」としたり「が-こう」としたりする傾向があります。練習方法としてはミニマルペアで聞き取りの訓練をすると同時に次のような発音練習をするといいでしょう※"An
Introdction to Modern Japanese"(ジャパン・タイムズ刊)の各課の最後にある練習です。長音についても同書を参照してください。「っ」に 気を つけて 練習
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