グローバルという言葉と学校・大学☆狸
視界が狭い組織ほど「グローバル」の定義がズレを感じます。
◆大学が求める教員と学生
「グローバル化のため外国人教員募集」「専門の授業を英語でできる教員募集」
…自分の国と日本しか知らない外国人教員のほうが、さまざまな海外経験を持つ日本人よりグローバルといえるのでしょうか?せっかく日本に留学しに来たのに、英語で授業を受けるなんて勿体ないと思わない留学生を受け入れる…Uはなにしにニッポン留学?と言いたいですねぇ。
あるいは、ご自身のご研究のため、とあからさまにわかる…どう考えても合格できなさそうな在住外国人・留学生が簡単に入学しています。(たとえば第二言語研究とか)
身近にいろいろと「ズレている」と感じることがたくさんあります。
◆グローバル=英語??他の言語は??
グローバルと英語が安直に結びついていて、現地語の能力より英語の能力が常に優先されていて、私のように英語は苦手だけど現地語なら楽…という人間は日本ではあまり認めていただけないようです。さきほどもラダック語の映画を英語の字幕つきでみていたのですが、字幕より音声のほうがわかります。強いて言えば、チベット人のお坊さんのお説法に繁体中国語の字幕がついている場合は日本読みして仏教用語を確認できるのでそちらのほうがいいです。そう、用語が一致していれば理解できるのですが、英語で無理に訳したものはとても理解が難しいので現地語のほうがよいと感じるのです。
◆第二外国語が軽視されすぎ・選択範囲狭すぎ
スペイン語話者は本来のネイティブは英語より人口的に多いはずですし、各地の旧植民地では現地語として定着している単語もたくさんあるので、スペイン語はドイツ語やフランス語くらい第二外国語として有効なのに、さして増えていません。一時は中国語が増えましたが…人気がなくなってきたので…。中国語も大陸普通語ばかりで、台湾式が少ないですし、広東語なんてアメリカその他の華僑は広東語ベースなのでかなり使えますので。
ちなみに…中国語普通語の母語話者は政府発表??よりはるかに少ないです。トルコ語が話せても中国語が話せないウイグル人とか…まだいらっしゃるようですし。かつては、ヒンディかネパール語か英語が喋れても中国語が話せないお年寄りがチベットにいらっしゃいましたし(ご存命であられますよう)…文革後に日本留学して日本に定住されたインテリ中国人は「チベットだと英語を話す人が多いでしょ」とちゃんとご存じでした。
下は朝日デジタル「まるで詐欺」怒る選定校 「スーパーグローバル大学」構想
◆狸がつく慣用句ばかりが浮かぶ
これを読んでみて、文部科学省も大学も双方とも「とらぬ狸の皮算用」いもしない狸に化かされた…鹿待つ所の狸…グローバルでなく「狸の睾丸八疊敷き」…(あらお下品ごめんあそばせ)…狸囃子で踊っているような…。
◆「国際競争力」強化は無理な構想
日本語を勉強するつもりがない留学生を受け入れ、自力でなく大学のプログラムで留学し(ということは現地でも日本出身の友達がいっぱいいる環境)、そんな甘い学問のやりかたで「国際競争力」が強化できるはずがないと思いませんか??
◇自分の留学のしかたが正しいとは申しませんが、まずは国内の関係者、それ以降は現地のツテでサバイバルに学ぶ場所を決め、現地語で学び、現地の友達と遊び、現地の食べ物に慣れ親しみ、現地の智慧と経験を持つお年寄りと話しをし、現地の人とお祈りし、現地の異性とデートをし…偶然ビザが切れて学ぶことを予定していなかったことを教わり…最高の師匠と出逢い…そんな経験がグローバルな視点や多様な価値観を形成し…尊い経験だったとしか思えません。
◇サバイバル留学が活かされている今
家庭の経済としては苦しいままですが、仕事内容は小中学校・大学講師時代、現在の日本語教師の仕事すべてに一貫した教育理念を持たせてくれました。特に現在の日本語講師の仕事は、現地で言葉の苦労をした経験、現地の文化の意味が解らなかった経験、現地のなにかがわかったときの感動…そして、深くかかわった土地への体感・心・知識・・・それらに基づいて日本語非母語生徒理解からスタートする異文化理解ありきの日本語教育を実践し…まだまだ不足はあるものの…とりあえず、音楽と比べて授業技術は劣っているものの…生徒目線と水平に日本を観察しながらの「学びあい(合い・愛)」
◇人ではなく狸…狐は誰?どこ?
今行われている大学・学校でのグローバル教育は、もともとが狭い視野での発想だから、Human mindではなく、狸になってしまうのだろうと思います。特に留学生受け入れは経済とか雇用とか。本人の思いよりも「使える外国人の定住」そして「外国人を使うことができる日本人」を育てるために。労働人口・少子高齢化と関係を持つ裏意図があって、その裏意図の糸を引く狐が狸すべてを騙しているという構図がおぼろげに見えてくるのですが…。
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